中国での居住や留学を考えている方や、パートナーの駐在に付いていく事が突然決まった方々の中には、「現地で本当に経済的に安定した生活出来るのか?」という点は気になる所かと思います。
今回はそんな方に向けて、中国に留学していた経験がある筆者が中国の物価事情を改めて調査し、詳しくご紹介させて頂きます。
中国の物価はここ数十年で上昇している。
ここ数十年で中国の物価は大きく上昇しています。これは専門家でなくとも実際中国に生活している多くの方が肌で感じる事かと思います。
下記の中国の消費者物価指数(CPI)の推移グラフを見てみると、いかに物価が上がっているかが見て取れるでしょう。

画像引用元: 世界経済のネタ帳
このグラフから長期的に見れば、この先も物価は上昇する可能性が高い為、今後長期的に中国に住むのか、自分の収入や仕送り等と支出のバランスが合うのか等を考える材料になるでしょう。
具体的な物価はどれくらい?

画像引用元: 写真AC
向こうに到着したての方は、最初は友人も少ない為、現地でどこで何を買えば安いのかという情報もなかなか入ってきにくいと思います。
参考として、こちらに一般的な衣食住の値段を記しておきます。
洋服はいくらくらい?
かなりピンキリですが、服装市場という洋服市に行けば、Tシャツやトップスが約20元、日本円で約343円(以下小数点以下切捨)〜売っていたりして、大変安いです。品質は縫製が悪かったり壊れたりと必ず良いとは言えませんが、ずっと着れる掘り出し物もあります。デパートに行けば、日本と同じくらいの価格の物も売っています。
食料品や外食は?
ミネラルウォーターペットボトル 500ml
1.5元〜4.5元、日本円で約25円〜77円
うーん、安い!中国では水道水は飲めないので、ライフラインであるお水が安いことは嬉しい事でした。
果物
・小さめスイカ→約3元、日本円で約55円
・マンゴー→約7元、日本円で約125円
果物は日本に比べて特に安いので、多くの日本人が市場やスーパーで朝ごはんとして買っていきます。
マクドナルド
ハンバーガー単品→7元、日本円で約120円。日本は110円なので、殆ど差が無いどころか10円高いですね。数十年前より給料が上がっている中国でも、マクドナルドは未だに高級品と考えている人も中には居る様です。
スターバックスコーヒー
アイスカフェアメリカーノ トールサイズ→21元、日本円で360円
日本と違い表記がトール(中杯と表記)からなので、メニューを見ると一瞬高く感じますが、ほぼ変わらないか10〜20円前後高い程度です。
因みに所謂都会的なお洒落カフェの値段も大体日本と同じか少し高いです。
ドリンク一杯でも平均単価は35元〜45元、日本円で約601円〜772円程平気で取られますので、中国ってぶご注意下さい。
家賃はいくらくらい?
家賃については、ここ十数年で高騰しており、2021年時点で北京の1LDKアパートの家賃平均は、約4200元、日本円で約72175円です。2007年頃の北京オリンピック前は留学生が一人暮らしだとしても日本より安いからと、二部屋以上ある家を借りる方も多かったのですが、年々難しくなっている印象です。
情報提供元: 安居客
交通費は?
タクシーは日本に比べて安いので、重宝します。
タクシーの平均的な価格は下記です。
昼間は初乗り10元、日本円で約170円(3km以内)、3kmを超えて15km以内は1kmに付き2元、日本円で約34円加算されます。夜は日本と同じく夜間料金が追加され、初乗り11元、日本円で約188円の他に、1kmごとに20%増しの深夜料金となります。
出典: 2021年北京出租车价格是多少?
まとめ
以上、基本的な生活にかかる費用を個別に書かせて頂きました。下記はそれをまとめた表です。※2021年時点の参考価格です。
中国 | 日本 | |
洋服(Tシャツ1枚) | 300円〜1000円 | 1000円〜2000円 |
ミネラルウォーター ペットボトル500ml | 25円〜75円 | 100円〜120円 |
スイカ(小玉) | 55円 | 1500円 |
マンゴー | 125円(中国産) | 400円(メキシコ産) |
マクドナルド ハンバーガー | 120円 | 110円 |
スターバックス アメリカーノトールサイズ | 360円 | 340円 |
家賃平均 (1LDK) | 72175円(北京) | 191200円(東京) |
タクシー初乗り(昼間) | 170円(北京) | 410円(東京) |
先進国の中ではなかなか給料が上がらず、質が良くて安い物で溢れている日本とは、様々な点が違う様に感じられますが、基本的に一般的な衣食住は日本人にとってはまだ安いです。但し、外国チェーン店の頻繁な利用や、ブランド衣服やカフェ等お洒落な生活をしようとすると生活費自体は日本とあまり変わりありません。そういった日本には無い極端な物価の差が、多くの日本人の方にとって金銭管理の混乱を招きがちです。十分に注意しましょう。
こうした情報から現地の生活を事前に垣間見、現実的に移住や留学の準備をする際のご参考になれば幸いです。