百度傘下の日本企業PopInがオンラインストレージサービス「Dubox」をリリースしました。
百度が展開する中国のオンラインストレージサービス「百度网盘(バイドゥクラウド)」が、そのまま海外向けのサービスとして日本に流れきた感じです。
1TBの大容量、しかも無料
日本で最大のシェアを誇るGoogle Driveでさえ、無料版では15GBしか使えません。一方、Duboxは無料で1TB。もうGoogle Drive使うのやめてDubox使おう!って思っちゃいますよね。
実際に使ってみた
UIは百度网盘に酷似
これがDuboxのWeb版の画面です。広告もついておらず、すっきりした印象。

こっちが百度网盘の画面です。

UIは百度网盘とほぼ同じです。Duboxは百度网盘の海外版ですね。
アップロードの通信速度はかなり早い
8.5MB/秒前後のスピードが安定して出ていたので、かなり早い方ですね。全くストレスを感じずアップロードできました。

ダウンロードの通信速度は超遅い
一瞬Google DriveからDuboxへの乗り換えをしようかと思ったその矢先…..。ダウンロードの速度はたった100KB/秒前後しか出ず、激遅でした。
正直使い物にならない…..。

このサービス本当に大丈夫?二つの懸念点
データの安全性
中国のネットサービスの多くは国に監視されているため、元が中国のサービスであるDuBoxに置いたファイルもどこかに漏洩してしまうかもしれません。
もしDuboxを使うなら、どこかに漏れても問題ないファイルだけを置いておくのがよいでしょう。
機密情報を含んだドキュメントなど、外に漏れると損害が出そうなファイルさえ置かなければ、ある程度はリスク回避できると思います。
速度制限と有料化
1TBもの大容量ストレージをユーザーに無料で提供するなんて、企業側にはなんのメリットもありませんよね。今後どうやって収益化するつもりなんでしょうか。
微博で一番多くのいいねがついているコメントがこれでした。
等着大伙把文件都存进去,再限速啊
どうせみんながファイル置いたあとで、速度制限かけるんでしょ
by 微博ユーザー
この後DuBoxがどうやって収益化するかは、百度网盘の歴史を見るとある程度予測がつきます。
百度网盘も当初は数TBの容量を無料で使える超優良サービスでした。しかし、百度网盘は中国でのクラウドストレージ市場のシェアを獲得すると、収益化のために速度制限をかけます。
有料化前に大量のデータを百度网盘に保存してしまった人にとっては、もうそのまま有料会員になるしかないでしょう。
速度制限くらい、無料なら我慢できるんじゃない?と思うかもしれませんが、百度网盘は無料会員で使っても、使い物にならないくらい遅いです。たった数GBのファイルをダウンロードするだけで半日〜1日くらいかかります。
百度网盘の収益化のスキームは、「容量はたくさん使えるようにしてあげるけど、通信速度制限を解除するにはお金を払ってね」というものなので、DuBoxに関しても速度制限の解除に料金がかかるようになる可能性が高いです。
まとめ:無料だけど、ダウンロード速度に落とし穴
Duboxは無料で1TBのストレージを(低速で)使えます。
まだベータ版ということなので、正式版がどういう課金システムになるのかは不明ですが、恐らくは「速度制限解除」に料金がかかってくると思います。
1TBもの大容量ストレージを無料で高速で使えるなんて、世の中そんなにうまい話はありませんでした。僕は大人しくGoogle Driveを使うとします。